I・DOLL



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造りだしたロボット少女に想いを託す女のバラード。

 ★4の下。
 全6話で描かれた表題作『I・DOLL』の丸ごと長編な著者の記念すべき20冊目。
 ほか、後日談オマケ漫画3頁(うち2頁はカバー内)。

 ネクラ青年の『泰朗』はゴミ捨て場に死体のごとく横たわっていた少女型ロボットを拾う。
 少女は名を『マリ』と名乗り、泰朗に即えっちをねだる。
 路上でいきなりマリを譲れとせがんできたオタク青年によれば、彼女はわずか50体しか造られなかった貧乳型のファーストヴァージョンで、コレクター筋ではとんでもないプレミアだとか。

 さて、マリという少女ロボットに対する泰朗の心情をメインテーマに据えて描かれるかに思えた作品の方向性は、その後別キャラたちとロボットの奏でる別物語を見せる形式で進むことになります。

 はたして、冒頭2頁のプロローグで描かれた謎の女性こそが、この物語の真の主役だったりするのですが、多分に描き出し前の構想とは方向性が大きく変わってしまったように観えてしまい、ドラマとしての完成度はお世辞にも高レベルとは言えないものになってしまいました。

 アイデアが優れていて、一人一人のキャラに魅力があって、その場そその場での個々の想いは充分描かれていて、著者らしさに満ち溢れてはいるものの、長編としての展開構成の著しい半端さが、本来ならそこにあって然るべき感動を平凡なものにしてしまったのが残念至極。

 テーマの大中小はきっちり優先順位をつけてプロットをおこして欲しいものです。

 思いついたアイデアを切り捨てきれない作家としての欲望が詰め込みすぎの消化不良を引き起こしたような作品。

 最終6話で事態を傍観するマリの薄気味悪い笑顔を最大限に活かすための順序立てさえ出来ていれば、希有の名作になっていたであろう、そんな一冊。

 描かれなかった事情を脳内で穴埋め変換できる方へなら、是非一読していただきたい夢物語。



ヒット出版社
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えろもん (セラフィンコミックス)
えろいも (セラフィンコミックス)
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